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一章 第八話「無知なる者の正義」

Author: 鈴谷凌
last update Petsa ng paglalathala: 2026-05-19 05:02:03

 エルキュールと少女が魔人との戦闘を開始したころ、一方のグレンはその肩にカイルを担ぎ、来た道を急いで引き返していた。

 すんでのところで魔獣に襲われていたカイルを救出することに成功したグレンらだったが、運が悪いことに魔人までこの件に噛んでいたのだ。

 一般的に魔人は魔獣に比べ知能が高く、その力も強大である。そんな危険極まりない存在との戦闘に、カイルを巻き込むわけには行かなかった。

 故にグレンは一刻も早くカイルを連れこの森から離れる必要があった。

 それには一秒たりとも無駄にはできない。カイルは一人でこの森に入ったようだったが、起伏のあるこの地形は子供の足で進むには時間がかかる。

 ならば多少無理やりにでもカイルを担いでグレン一人の足でさっさと脱出してしまうのが得策ではある。

 そうした判断の下、グレンはここまで一心不乱に駆けてきたのだが――

「おい、はなせって、もう! いたいんだって、このツンツン頭!」

「うるせぇ、ってかツンツンじゃねえ、グレンだ」

 それまで沈黙

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